2021年頃に話題となった作品といえば「変な家」ではないでしょうか。
現在では一迅社から出版され、漫画としても読めるようになった人気のミステリー作品です。
また「変な家」という名前は聞いたことがあるけれど、どんな話の内容なのか気になる人もいるかもしれません。
そして「怖い」と聞いているけれど、実際にどれほど怖いのか知りたいという方も多いでしょう。
そこで今回は、ちょっと不気味な不動産ミステリー作品「変な家」について、その魅力を詳しくご紹介していきます。
変な家はどんな話になっている?
変な家は、一見普通に見える家の間取りに隠された不自然さを通して、徐々に不穏な真相が明らかになるミステリーホラーです。
物語は間取りの分析を通して徐々に不穏な真相に迫り、最終的には全ての謎を解明せずに読者の想像に委ねるような内容となっています。
これにより、読後にも不安と恐怖が残り、深い印象を与える物語となっているのが変な家の特徴でもあります。
また、原作者は雨穴という先生になっています。
あらすじ:間取りの不自然さに隠された物語の謎
主人公の友人である柳岡さんは、家族が増えることを機に新しい家の購入を検討しています。
彼が見つけた中古の一軒家は、駅近で自然も多く理想的な物件に見えました。しかし、その家の間取りには不可解な点がありました。
1階にドアのない謎の空間が存在し、2階の子供部屋には二重扉や窓がなく、トイレが子供部屋からしか入れないなど、不自然な設計が多数ありました。
主人公はこの間取りの謎を解くため、知人の設計士・栗原さんに相談します。
栗原さんは間取り図を分析し、この家には何か異常な目的が隠されているのではないかと推理します。
彼は、家の構造が子供を外界から隔離し、秘密裏に何かを行うために設計された可能性を示唆します。
具体的には、隠し通路や抜け穴を使って、家族が犯罪行為(例えば殺人)を行っていたのではないかと考察します。
物語の終盤で、近隣の雑木林でバラバラ死体が発見され、その被害者がその家に泊まったことがある人物である可能性が示唆されます。
さらに、前の住人との連絡が取れなくなっていることも判明し、家にまつわる不穏な雰囲気が高まります。
変な家は日常に潜む異常性や、人間の心理の闇を巧みに描いており、読者に深い印象を与えています。
怖い作品なのか?
変な家は、怖いと感じるかどうかは人それぞれの感覚に大きく依存する作品です。
物語には奇妙な出来事や不気味な雰囲気があり、読者によっては恐怖心を煽られるシーンも多くあります。
そのため、ホラー好きな人や恐怖に敏感な方にとっては、背筋がぞくりとするような怖さを感じるかもしれません。
しかし、同じ作品を読んでも、ミステリーとして謎を解き明かす要素に興味を持つ人や、怖さに慣れている読者にとっては、それほど恐怖を感じない場合もあります。
怖さを楽しむだけでなく、謎解きや不思議なストーリーに興味がある方にとっても十分楽しめる作品です。
<関連作品>
変な家の漫画は何巻まで読める?
漫画は、2024/11/01日現在4巻まで発売されています。
コミカライズ版は、動画や小説とは異なる独特の表現で物語が描かれており、視覚的に楽しめるのが特徴です。
漫画の発売日や収録話
- 1巻:2023/06/16(1話~4話)
- 2巻:2023/11/30(5話~8話)
- 3巻:2024/03/08(9話~12話)
- 4巻:2024/10/16(13話~16話)
絵によって描かれる恐怖や謎の演出は、小説では感じられない迫力やリアリティがあり、物語により深く引き込まれます。
小説も存在しますが、初めて作品に触れる方には、漫画版の方がおすすめです。
イラストを通して物語が進行するため、キャラクターの表情や場面の雰囲気が分かりやすく、作品の魅力を直感的に味わえます。
また、漫画はまだ完結しそうな感じではありませんので、どのくらい続くかは不明です。
漫画「変な家」の詳細
漫画ネタバレ:間取り図の違和感
最初に主人公の元へ持ち込まれた変な家の間取り図。
相談を持ち掛けた人物は近々赤ちゃんが生まれる予定で、一軒家を買おうと思っていました。
中古でも築年数は浅く、立地条件も内装も文句なし。
そんな物件に夫婦は好感を持っていたのですが…その家の1階には謎の空間があり、そこだけが引っ掛かっていて購入に踏み出せずにいました。
不動産屋さんに聞いても何のためにその空間があるのかは分からないとの事。
そこでオカルト専門フリーライターの主人公へ相談を持ち掛けます。
主人公は同じくオカルト好きな建築設計士の栗原と共に間取りについて話し合う事になるのですが、話しは思いがけない方向へと走り出します。
栗原が真っ先におかしいと思ったのは1階にある謎の空間ではなく、2階にある子供部屋でした。
子供部屋には二重の扉があり、部屋には1つも窓が無く、部屋に備え付けのトイレまで設置。
まるで子供を誰にも見させたくないような作りで、独房のような子供部屋に強烈な違和感を覚えます。
そして1階と2階の間取りを重ねてみると、さらに大きな違和感に気付くことになるのです。
その後、近くでバラバラ殺人事件が起きた1件目の「変な家」を記事にした主人公の元へ、ある日1通のメッセージが届きます。
送り主は宮江柚希という人物で、メールは「あの家について、心当たりがあります」という内容でした。
奇妙なメッセージだったものの気になった主人公は会う約束をし、待ち合わせ場所に現れた柚希を見て「普通の人だ」とホッとします。
(メッセージが不気味だったので変な人が来ないか心配していた)
しかし彼女の口から「主人があの家の住人に殺されたかもしれない」という発言を聞き状況は一変します。
宮江柚希が取り出した間取り図を見ると、まず1階に注目する主人公。
謎の部屋があるものの、いびつな形をしていること以外では特に気になる点はありませんでした。
しかし2階の間取り図を見るとギョッとした顔を見せます。
そこには1件目の変な家と同じく、隔離されたような窓の無い子供部屋。備え付けのトイレ。
その他にも1件目で見た変な家と同じ個所がいくつも見られました。
また、1件目とは違った間取りも多く存在しており「1件目と同じ方法で犯行を行うのは不可能」という謎まで生まれてしまいます。
特徴的な子供部屋の作りからおそらく同一人物たちが暮らしていたとは思われるのですが、確証を得る前に家は火事で全焼していたのです。
見どころ:ゾッとするような恐怖感
本作の見どころといえば「ホラーとミステリー要素が満載」という点でしょう。
怖い絵で驚かせてくるタイプやグロテスクな描写ではなく「よくよく考えたら確かに…」という感じで、後からジワジワくる恐怖感が見どころです。
そもそも最初に登場する間取りを見ても、普通の人では何がおかしいのか気付かない方がほとんどです。
例え1つ気付いても、他の異常に気付かなかったりする方が結構いると思います。
その異常が作中で1個1個解明されていき「確かに」と理解した瞬間、ゾッとする感覚がホラー好きにはたまらないでしょう。
また、本作の中では様々な建築関係の知識が登場するのも見どころです。
「この場所に窓があるのはおかしい」「この部屋にトイレがあるのはおかしい」「ここに空間があるのはおかしい」などなど…言われて初めて気付くポイントも数々登場。
間取りが登場した時点で漫画を読み進める手を一度止め、どこがおかしいのか探してみるのも「変な家」の楽しみ方の1つです。
間違い探しではありませんが似たような感じで楽しむ事ができ、その後マンガを読み進めていく事で答え合わせをする事が出来ます。
レビュー:謎を解く楽しさが秀逸
変な家は、とにかく不気味で気味が悪いというのが第一印象です。
と言っても、そういうのを求めて漫画を読んでいるのでもちろん誉め言葉です(笑)
普通の家のはずなのに、ドアのない空間や窓のない子供部屋、二重扉などの不自然な設計が次々と登場し、その謎が何を意味するのか考えさせられます。
栗原さんの推理は現実離れしているようでいて、不自然さを理論的に説明し、物語に深みと恐怖感を与えます。
また、普通の家が実は恐ろしい目的のために設計されていた可能性が示唆されることで、日常に潜む異常性や人間の闇についても考えさせられました。
絵のクオリティやキャラクターのデザインについては、多くの読者が評価しており、特に作画の丁寧さや緻密な描写が良かったとの声が多いです。
漫画は全体として「リアリティよりもエンターテイメント性を重視した」ミステリーという感じであり、読者を飽きさせない展開が魅力です。
変な家はどんな話?まとめ
変な家は映画やユーチューブ動画、さらには漫画化もされた不動産ミステリーホラー作品です。
物語は、一見普通に見える家の間取りに隠された不自然さを解明するうちに、不穏な真相が明らかになっていくミステリーホラー。
漫画は2024/11月現在4巻まで読めるようになっており、小説や映画とは違った雰囲気で読めるのが良い点です。
作中では、間取りの奇妙な点や家の設計が犯罪行為に利用されていた可能性が示され、クライマックスでは近隣でバラバラ死体が発見されるなど、恐怖と謎が交錯します。
変な家は読者に日常に潜む異常性や人間の闇を考えさせ、深い印象を与えます。
ホラーとミステリーの要素が融合し、「変な家」は読者に恐怖と驚きを与え続ける作品です。